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モニュメント・ミュージアム来待ストーンへ直接インタビュー!
モニュメント・ミュージアム来待ストーンは島根県松江市にある、地元で採取される来待石の歴史や来待石にまつわる文化を知ることのできる施設です。
松江市と合併する前、旧宍道町が平成元(1989)年に地域振興策の一環として取り組み、平成8(1996)年にオープンしました。
来待石産業の振興・新規事業の創出や、後継者の育成、生涯学習などを推進する、地域に根ざした施設です。
モニュメント・ミュージアム来待ストーンには、博物館のほか、彫刻体験ができる来待石工房や陶芸体験ができる陶芸館などもあります。
今回はインタビューをもとに来待石の特徴やモニュメント・ミュージアム来待ストーンの見所、カップルにオススメの制作体験などをご紹介!
ぜひデートプランの参考にしてください。
来待石とは?
まずは来待石とはどのような石なのか教えてください。
編集部
廣江さん
来待石は約1400万年前の火山灰と砂が堆積してできた「凝灰質砂岩(ぎょうかいしつさがん)」です!
石質が均質で柔らかく加工がしやすいため、古くから石造物や生活用具、建材などに使用されてきました。
廣江さん
伝統的工芸品の「出雲石灯ろう」の原材料としても知られています。
また、釉薬(上ぐすり)として石見地方の石見焼や石州瓦などにも来待石の石粉が使用されています。
地域の人々の暮らしの中に、古くから深く溶け込んできた出雲地方の伝統的な石材です。
モニュメント・ミュージアム来待ストーンの特徴
モニュメント・ミュージアム来待ストーンでは、地域の伝統的な石材である来待石の歴史や文化を紹介するだけではなく、来待石による地域振興にも力を入れています。
続いて、モニュメント・ミュージアム来待ストーンの特徴を伺いました。
地域に根ざした施設
モニュメント・ミュージアム来待ストーンの特徴を教えてください。
編集部
廣江さん
モニュメント・ミュージアム来待ストーンは来待石の歴史や文化を紹介するとともに、来待石による地域振興も目指しています!
当館はもともと、地域振興策の一環として開設されました。
廣江さん
また、『日本ジオパーク』のジオサイト(ジオパーク内における見所)としての活動も行っています。
『日本ジオパーク』とは、大地の遺産を保全し、教育・ツーリズムに活用しながら持続可能な開発を進める地域認定プログラムです。
廣江さん
島根県東部の松江市や出雲市といった中海や宍道湖がある地域を中心とした「島根半島・宍道湖中海ジオパーク」が平成29(2017)年に認定されており、当館も地域の自然や歴史文化などの魅力を発信しています。
施設内は3つの施設と石の広場
地域の魅力の発信や地域振興にも貢献されているのですね!
館内ではどのような展示や体験があるのでしょうか?
編集部
廣江さん
当館はミュージアム・来待石工房・陶芸館の3つの施設と石の広場で構成されています!
ミュージアムでは来待石の歴史、文化などを紹介し、定期的に企画展も実施しています。
来待石工房では「出雲石灯ろう」に関連した伝統技術の紹介や、来待石の彫刻体験などを行っています。
廣江さん
陶芸館では陶芸体験・絵付け体験を行っているほか、地元作家の陶芸作品を販売しています。
石の広場は実際に来待石を採石していた採石場跡をご覧いただける広場です。
モニュメント・ミュージアム来待ストーンの見所
モニュメント・ミュージアム来待ストーンでは、地域の伝統的な石材である来待石の魅力を発見できる見所がたくさんあります。
続いて、施設の見所を伺いました!
石のトンネル
モニュメント・ミュージアム来待ストーンの見所を教えてください。
編集部
廣江さん
当館の見所のひとつは、石のトンネルです!
来待石の岩盤を貫いた、駐車場からの通路と博物館を結ぶトンネルで、長さ約65m、幅約4mあります。
館内に入る前に来待石を間近でご覧いただけます。
来待石の切場跡(石の広場)
来待石のトンネルをくぐって博物館へ行けるなんてわくわくしますね!
ほかにも見所があれば教えてください。
編集部
廣江さん
石の広場もぜひ見ていただきたいスポットです!
「三才谷の大岩(みさいだにのおおいわ)」と呼ばれた石切場跡(採石場跡)で、明治25(1892)年頃から昭和30(1955)年頃までの約60年余りの期間、10軒の採石業者によって操業されていました。
廣江さん
高さ約25mの来待石の絶壁には、筋模様が斜めに広がっています。
これは「マサカリ」と呼ばれるツルハシのような形状の工具を使用して、手掘りで石を切り出した際の痕跡です。
採石の歴史を体感していただけるスポットですので、ぜひ訪れてみてください。
モニュメント・ミュージアム来待ストーンのイチオシの展示
来待石の歴史や文化などに関する展示を行っているモニュメント・ミュージアム来待ストーンには、魅力的な展示も数多くあります。
続いて、来待石の魅力を感じられるイチオシの展示を伺いました!
パレオパラドキシアの化石(左下あご部分)
モニュメント・ミュージアム来待ストーンのイチオシの展示を教えてください。
編集部
廣江さん
パレオパラドキシアの化石がイチオシです!
パレオパラドキシアは約1,300年前に絶滅したといわれる哺乳動物です。
廣江さん
来待石が採石される「大森-来待層」は、パレオパラドキシアの化石が産出するなど、地質学的にも重要視されています。
当館ではパレオパラドキシアの肋骨の一部の化石などを展示しているため、ぜひご覧ください。
出雲石灯ろう
貴重な化石が見られるのですね!
ほかにもイチオシの展示があれば教えてください。
編集部
廣江さん
出雲石灯ろうもイチオシです!
来待石を加工して製作される灯ろうで、昭和51(1976)年に石製品としては初めて「経済産業大臣(当時は通商産業大臣)指定伝統的工芸品」に認定されました。
廣江さん
出雲石灯ろうの特徴は、温かみのある柔らかな肌合いで、色彩がよい点です。
また、早くに苔青く趣のある色合いへと変化するため、庭や室内装飾などに欠かせない「石の美術品」として好評を博しています。
出雲狛犬(出雲唐獅子(いずもからじし))
地域で長年愛されてきた石灯ろうの魅力を感じられる展示ですね!
ほかにも地元に伝わる工芸品などの展示はあるでしょうか?
編集部
廣江さん
出雲狛犬(出雲唐獅子)もあります!
敷地内に、老朽化によって新しく製作された狛犬と交代し、神社から博物館へ移設された来待石製の出雲狛犬を複数展示しています。
廣江さん
座ったタイプが「居獅子」(いじし)、四つ脚で身構えたタイプが「勇獅子」(いさみじし)です。
阿吽の呼吸で来館者を迎えてくれる出雲狛犬を、ぜひ間近でご覧ください。
タヌキの「真実の口」
地域の文化が感じられる展示ですね!
ほかにもイチオシの展示があれば教えてください。
編集部
廣江さん
来待石でつくられたタヌキの「真実の口」もイチオシです!
来待という地名には「来るのを待つ」という由来があります。
この由来から、口に手を入れて願いを唱えれば待ち人が来たり、良いご縁があったりするかもしれないとされています。
松江の縁結びスポットの1つになっているので、ぜひデートの際には願い事をしてみてください。
カップルにオススメの制作体験
カップルにオススメの制作体験を教えてください。
編集部
廣江さん
陶芸館で実施している陶芸体験・絵付け体験や、来待石工房での彫刻体験、石の時計作り体験がオススメです!
陶芸体験・絵付け体験では、来待石の粉を用いた「来待釉薬(きまちゆうやく)」をはじめとした釉薬を使用した、来待ストーンならではの作品に仕上げることができます。
廣江さん
石の時計作り体験は、来待石の板にアクリル絵の具で絵や文字盤を描き、オリジナルの時計がつくれる体験です。
ここでしかできない体験を、ぜひお楽しみください。
モニュメント・ミュージアム来待ストーンのオススメイベント
モニュメント・ミュージアム来待ストーンのオススメイベントがあれば教えてください。
編集部
廣江さん
2023年12月20日~2024年3月11日まで冬季企画展「「石と水 水の都の来待石」を開催中です!
来待石と水の関係や水にまつわる石造物などの紹介・展示を行っています。
また、令和6(2024)年は辰年であることから、龍の伝承や来待石製の彫刻なども紹介しています。
廣江さん
このほか、当館では夏と冬にそれぞれ企画展を行っているため、そちらもぜひチェックしてください。
モニュメント・ミュージアム来待ストーンからのメッセージ
最後に、読者へのメッセージをお願いします!
編集部
廣江さん
当館は来待石の性質・歴史・文化のほか、地域の特色ある産業である来待石産業の歴史なども紹介しています。
博物館の展示、来待石工房・陶芸館での体験を通して、来待石そのものや地域の取り組み、「ものづくり」の楽しさなどを知っていただきたいと思っています。
ぜひ、デートでお越しください!
モニュメント・ミュージアム来待ストーンで素敵なデートを楽しもう
まとめ
- モニュメント・ミュージアム来待ストーンでは来待石の歴史や来待石にまつわる文化などに関する展示を楽しめる
- 館内には来待石の魅力を感じられる展示が多数ある
- 陶芸体験・絵付け体験などのカップルで楽しめる制作体験もできる
- 毎年夏季・冬季に企画展示を行っている
モニュメント・ミュージアム来待ストーンは来待石の歴史や文化、来待石を使用した地域の伝統的工芸品などを楽しめる、地域振興にも貢献している施設です。
さまざまな展示物から、来待石の魅力を感じられるでしょう。
夏季と冬季にはそれぞれ企画展示を行っており、さまざまな視点から来待石の魅力を知ることができます。
また、陶芸体験や絵付け体験などの制作体験が楽しめるのも魅力です。
デートで体験に参加すれば、思い出に残る作品づくりを楽しめます。ぜひデートで訪れてみてください!
概要 | |
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施設名 | モニュメント・ミュージアム来待ストーン |
住所 | 〒699-0404 島根県松江市宍道町東来待1574-1 |
電話番号 | 0852-66-9050 |
アクセス | 【電車】 JR山陰本線「来待駅」から徒歩約15分 |
営業時間 | 【ミュージアム】 9:00〜17:00 ※最終入館は16:30 【来待石工房・陶芸館】 9:00~12:00、13:00~17:00 ※ 各体験ごとに最終受付時間あり |
休館日 | 毎週火曜日、年末年始 ※火曜日が祝日の場合は翌平日 |
料金 | 【ミュージアム】 一般:390円 中・小:190円 【彫刻体験料】 一般:2,030円 中・小:1,340円 【来待石の時計作り体験料】 一般・中小学生:1,800円 【来待石のペンダント作り体験料】 一般・中小学生:500円 【彫刻体験料・ミュージアム入館料セット】 一般:2,300円 中・小:1,480円 【陶芸体験】 一般:2,700円 中・小:2,010円 【絵付け体験】 一般:1,240円 中・小:1,240円 【陶芸体験料・ミュージアム入館料セット料金】 一般:2,960円 中・小:2,160円 |
公式サイト | https://www.kimachistone.com/ |
公開日: 2024-01-16
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