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更新日:2022年3月21日

日本の植物学の父・牧野博士の足跡が辿れる!?3,000種類以上の植物が楽しめる「高知県立牧野植物園」にデートでの楽しみ方についてインタビュー!

今回ご紹介するスポットは、高知県高知市の市街地から車で約20分の「高知県立牧野植物園」です。

こちらは高知県出身で”日本の植物分類学の父”とも称される牧野富太郎博士の業績を讃えて、それを広く伝えるために作られた施設となっています。広さ約8haの園内では、博士にゆかりのある野生植物をはじめとして約3000種類以上の花木が咲き乱れており、四季を通じて植物を楽しむことができるんです。

また建築家・内藤廣氏が手がけた牧野富太郎記念館では、牧野博士の数万点にわたる蔵書や標本が展示されており、彼の業績を心ゆくまで知ることができるほか、併設されているレストランでは青々とした新緑を見ながら創作フレンチを堪能できるのも大きな魅力となっています。

今回はそんな高知県立牧野植物園の概観やエリアについて、おすすめの展示・デートでの楽しみ方など、広報スタッフの楠山さんにインタビューしました。

目次

「高知県立牧野植物園」について

「高知県立牧野植物園」でできること

楠山さん:高知県立牧野植物園は、高知生まれの植物学者・牧野富太郎博士の業績を讃えて作られた植物園で、約8haの敷地面積の中に四季折々の花々が3,000種以上咲き誇っています

高知の市街地から車で20分の五台山という小高い丘の頂上付近に位置し、起伏のある地形を活かしながら自然の中でさまざまな植物に出会うことができるのが特徴です。五台山は牧野博士が希望した場所でもあり、お隣にはお遍路の31番札所である竹林寺があるんです。

また園内には国内外から集めた色鮮やかな熱帯花木、熱帯果樹などを楽しめる温室や、牧野博士の生涯を紹介する常設展示がある牧野富太郎記念館、レストランやショップなどもあります。

編集部:立地や展示から牧野博士へのリスペクトがとても伝わってきますね。ただ自然に癒されるだけでなく、展示を通してより自然を学べそうですね。

「高知県立牧野植物園」の見どころ

「こんこん山広場」について教えてください

楠山さん:「こんこん山広場」は、標高131mと、牧野植物園の中で最も標高が高いところに位置し、北を見ると高知の山々の風景を、南を見ると雄大な太平洋を臨むことができる、眺望が抜群の場所です。3年前にできた新しいエリアで、牧野博士の「自らにこんこんと湧き出る植物知識を世界中の人々に広げていきたい」という思いが込められた博士の個人雑誌のタイトル「牧野植物混混録」から「こんこん山」という名称に決まりました。風も心地よいですしピクニックなどを楽しめるウッドデッキもあるので、お弁当を広げながらここから見える風景を楽しんでいただきたいと思います。

編集部:植物に囲まれた自然いっぱいのこの場所で太平洋まで見えるのは、施設の中でも標高が高いこんこん山広場ならではですね。ピクニックをすると高知の自然を五感で感じることができそうです。

「50周年記念庭園」について教えてください

楠山さん:「50周年記念庭園」ではサクラ属をはじめ、ハナショウブ、ハス、リンドウなど東洋の園芸植物を中心に植栽しており、どの時期に訪れても花々を楽しんでいただけます。

また他にもハスの園芸品種や昼の時間帯や夜の時間帯限定で咲くスイレンなどを見ることができるのも特徴の一つです。夏や秋には夜間開園があります。お月見なども楽しむことができますよ。庭園の池のほとりにはベンチもあるので、こちらで二人の憩いの時間を過ごすのもおすすめです。

編集部:そもそも、桜が40種類も存在していることを知りませんでした。夜間開園もできるということで、夜にしか咲かないスイレンを見ながらお月見を楽しむというのも粋ですね。

牧野植物園の「温室」について教えてください

楠山さん:温室では、まるでジャングルのような雰囲気の中、国内外の貴重な熱帯植物の観察を楽しんでいただけます。どこで撮影しても映える写真が撮影できるのが特徴で、ジャングル感を楽しみながら熱帯植物の観察を楽しめるんです。世界最大級の水生植物・オオオニバスも展示しているなど、普段あまり見ることがない植物を見られますよ!

編集部:初めて見る植物を驚きながら楽しく知ることができそうですね。世界最大級の水生植物もどのくらいの大きさなのか、現地に行って体感したいと思いました!

「牧野富太郎記念館」について教えてください

楠山さん:建築家の内藤廣氏が「サステナビリティ(持続可能性)」をテーマに設計した建物で、五台山の自然と調和する建築美が特徴となっています。

本館と展示館に分かれており、本館には牧野博士の蔵書や遺品などを約6万収蔵している牧野文庫の他、レストランやショップもあります。

展示館には常設展示があり、植物図や著書、観察会の記録や写真を通じて、牧野博士の生涯と業績を知ることができるのも大きな魅力です。またオリジナル作品を上映しているシアターも併設されているので、散策の途中に立ち寄るのもおすすめです。

編集部:記念館の建築は呆気に取られてしまうほど大きくインダストリアルな見た目でありながら、どこか温かみも感じますね。

楠山さん:中庭では、学名をつけたり植物図に描いたなど牧野博士にゆかりのある植物約250種類を植栽しているエリアになっています。本物の植物の横に博士の描いた植物図を並べているので見比べることもできますし、博士のエピソードなどが書かれたりしています。

またアーティスト・田窪恭治氏による「感覚細胞」というアート作品も展示されています。四角い鉛が規則的に沈んでいる作品で、重厚感のある作品があるからこそ植物の「生」がより華やかに際立っているように見え、そのコントラストを楽しむことができるのが特徴です。そこに鳥たちが水を飲みにきたりするので、それもお楽しみいただけます。

編集部:実際の植物と植物図を見比べる機会はあまりないので、どのような点に着目して図示したのかなどを考えながら見てみると勉強になりそうです。

「レストラン アルブル」について教えてください

楠山さん:「レストラン アルブル」では高知県産の食材を使用したランチが大人気となっており、カジュアルに楽しめるのが特徴です。レストラン自体が庭に面しているので、緑に囲まれてゆったりとした時間を過ごせます。テラスに出てもとても気持ち良いですよ。

おすすめは「シェフの気まぐれランチ」で、その時々に合わせた旬の食材を使用したランチメニューとなっており、とても人気があるんです。テイクアウトをしてこんこん山広場など好きな場所で食べることもできますよ。

編集部:レストランの内観はなんともいえない温かみがあり、さらに窓からたくさんの新緑を見ながら高知県産の食材をふんだんに使ったランチを楽しめるなんて、大地の恵みを存分に感じられそうですね。

お土産やグッズについて教えてください

楠山さん:レストランの横にある「ボタニカルショップnonoca」では、季節の植物の鉢植えが並んでおり、牧野博士の植物図を使ったグッズなど牧野植物園オリジナルグッズや、高知ならではのお土産が販売されています。

おすすめは「Makino original blend tea」で、こちらは博士にゆかりがある植物などをテーマにしたブレンドティーです。中でもスエコザサというフレーバーが人気で、こちらは牧野博士が妻・寿衛さんへの感謝をこめて和名・学名をつけた植物となっており、仁淀川町産の釜炒り茶とドクダミ、ほんのりと香るミントにより爽やかな味わいが楽しめます。

楠山さん:葉っぱがザクザクと大きめに切られているので、「見て・触れて・学んで・味わう」をお楽しみいただけます。植物園の雰囲気をご自宅に持って帰ったかのような気分でご賞味いただけますよ。他にも博士の描いた植物図をメインにしたマスクケースやクリアファイルも販売しているんです。

編集部:博士が奥さまから名前を取った植物があるなんてとてもロマンチックだと思いました。「Makino original blend tea」のパッケージの植物図もとても美しく目で見て楽しめますし、お茶好きな人にも植物が好きな人にもお土産として渡すのにぴったりだと思いました。

デートスポットとしての「高知県立牧野植物園」について

これまでに訪れたカップルの印象的なエピソードに関して教えてください

楠山さん夜にしか花を咲かせない神秘的な植物を楽しんでいただきたいと毎年夏場に夜間開園を開催しているのですが、暑い夏の夕涼みの時間を二人で浴衣を着て楽しんでいるカップルをお見かけします。また9、10月に開催している観月会では植物を愛でながら月を見て音楽の生演奏も聴くことができ、こちらを満喫しているカップルも印象に残っています。
(※イベントの内容は変更される場合があります。詳しくは公式HPをご覧ください)

編集部:普段昼間にしか訪れない場所が、期間限定で夜間に入れるようになっているのってどこかテンションが上がりますね!昼間とは違った姿を見せる牧野植物園を、普段とは違った服装のパートナーと回るのは一味違ったデートができること間違いなしですね。

カップルにおすすめしたい施設内の回り方を教えてください

楠山さん:薬用植物区というエリアがあるのですが、景色も良くとても静かで落ち着いた雰囲気が流れている場所となっているため、カップルにおすすめしたいです。春と秋はピクニック用のお弁当を予約準備しているので、ぜひご利用いただいて、ベンチで召し上がるのもいいと思います。

また本館から展示館までは全て屋根があるので、天気が悪くなってもお弁当を食べられますし、屋根があるところから雨が降っている外を見ると幻想的な景色を楽しむことができますよ。春と秋は見頃の花があって見るのも楽しく、適度な木陰やベンチもあり景色もよいので、デートにはぴったりだと思います。

編集部:どこを回っていても二人の時間を植物がお膳立てしてくれるのは、牧野植物園ならではといえますね。旅行の時などは特に昼食を用意して出かけることは少ないので、植物に囲まれながらピクニック感覚でお弁当を食べられるのもとてもありがたいです。

思い出に残るような写真スポットを教えてください

楠山さん:建築を生かしながら写真を撮っていただけるとよいでしょう。下から見上げると、空が屋根によって丸く切り抜かれているように見えるので、建築美と空を一緒に写すことでアーティスティックな写真を撮影できますよ。また竹林寺の隣ということで南園はお遍路道が通っており、そこを辿っていくと石垣などが残っているのでその雰囲気を楽しみながら写真を撮影するのもおすすめです。

編集部:上から丸く光が差し込んでいる様子は、まさに写真撮影にぴったりですし、インスタ映えも狙うことができそうです。また竹林寺の隣という場所を活かして和風な写真を撮ることができるのも魅力的だと思いました。

「高知県立牧野植物園」を訪れるカップルへ

「高知県立牧野植物園」を訪れるカップルへのメッセージをお願いします

楠山さん:植物園と聞くと堅いイメージを感じるかもしれませんが、牧野植物園では自然豊かな環境の中でのんびり過ごしてもらえます。自然を満喫しながら二人の時間が過ごせる場所なので、ぜひお越しいただければと思います。高知を訪れた際はぜひ牧野植物園にお立ち寄りくださいね。

編集部:牧野博士が望んだ立地で、博士が愛した桜をはじめとする草花を楽しむことができ、彼が記した植物図を見られ、最後に彼が愛した植物のブレンドティーも購入できるという牧野植物園は、まるで牧野博士とお会いしたかのような気持ちになれそうですね。

観葉植物が流行っており、植物が好きなカップルは最近増えていると聞きますし、これまで植物に興味がなかったカップルの方々もいい意味で見る目が変わるきっかけになると思いました。楠山さん、本日はお忙しい中ありがとうございました。

基本情報

住所

〒781-8125 高知県高知市五台山4200-6

電話番号

088-882-2601

入館料

一般730円 (高校生以下無料)

休園日

不定休

営業時間

9:00~17:00
※最新情報は公式HPをご確認ください

公式HP

https://www.makino.or.jp/

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