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更新日:2021年5月27日

国の名勝で仏前式?!奈良県葛城市にある當麻寺に仏前結婚式についてインタビュー!

仏前結婚式をご存知でしょうか?仏教の教えに則り伝統を重んじた由緒ある結婚式で、厳かで落ち着きがあるところが魅力です。

今回ご紹介するのは、境内にいくつもの国宝を抱える、奈良県葛城市にある當麻(たいま)寺です。このお寺はあの聖徳太子にも所縁があり、国の名勝にも指定されている香藕園(こうぐうえん)という庭園もある歴史の深い場所なんです。

今回は當麻寺中之坊院主の松村さんに、仏前式や當麻寺の歴史、見所についてお話を伺いました。

目次

當麻寺について

當麻寺の成り立ちについて教えてください

松村さん:当院は奈良県葛城市という、三輪山から見て真西の西方浄土の入り口のような場所にあります。麻呂子親王が兄である聖徳太子様の教えに従って、612年に万法蔵院を建立したのが始まりです。
それが681年になって、役行者が修行した場所である現在地に移され、お堂や僧院ができていき、現在まで続く當麻寺となったんです。

編集部:1400年もの歴史を持っていることや、あの聖徳太子にもご縁のある由緒正しい神社というのは大変驚きました。この事実を知ってから参拝をするのと、知らないで参拝するのではその時の思いも大きくかわりそうですね。

訪れた際の見どころについて教えてください

松村さん:當麻寺最古の塔頭であり、仏前結婚式の会場にもなっている中之坊という僧院があります。こちらは熊野権現(※1)が現れた場所に役行者が道場として開いた場所となります。
中将姫さまの守り本尊である「導き観音さま」を本尊として祀り、信仰を集めています。

またその中にある香藕園という庭園もおすすめです。大和の三名園にも数えられており、国指定の名勝にもなっています
内庭と外庭を区切る土塀を低く作り、狭い土地に奥行きをもたせる工夫もなされており、実際に見てみるととても綺麗です。こちらでフォトウエディングを撮られる夫婦の方も多いですよ。

(※1)熊野の神々のことを熊野権現(くまのごんげん)と呼びます。

編集部:名勝にも指定されている場所でのフォトウエディングは和装が映えそうで素敵ですね。この景色の中結婚式を挙げられるのは特別感が一層増すのではないでしょうか。

仏前結婚式について

仏前結婚式の挙式予約について教えてください

松村さん:電話とHPからご予約いただけます。電話でご予約いただく際には、式の内容などについてはお答えできるのですが、衣装や写真については別の業者の方に頼まないといけない点だけご留意ください。
またHPにも3社ほどお付き合いのある業者の方が掲載されておりますので、トータルプロデュースがご希望の際はそちらから連絡いただくのも良いかもしれません。

さらに式の流れや誓いの言葉、原稿などはあらかじめお渡しし練習していただく必要があります。また当院に一度寄っていただいて会場などのご確認をしていただくようにしています

編集部:基本的に衣装や写真撮影についても考えないといけないので、最初は紹介されている業者の方に問い合わせるのが1番かもしれませんね。また仏前式の経験者は少ないので、予行演習があるのは安心できます。

他の結婚式とは違う仏前結婚式のメリットについて教えてください

松村さん:中之坊で式を挙げる意味合いとしては「導きの観音」様を祀っているということがとても大きいと思います。

この観音さまは「導き観音」という呼び名の通り、行き先を守ってくださる観音さまなので、これから将来を誓うということでとても意味があるでしょう。

結婚式の誓いは「誰に誓ったかわからない」ということも多いかもしれませんが、寺で挙げる結婚式ではきちんと観音様の前で誓いをするので、その実感が湧くかと思います。

編集部:神様の代わりに神父様に誓うよりも、実際に目に見える形で我々に馴染み深い観音様に誓う方が心持ちも変わってきそうです。

松村さん:また授戒式の中で戒律を誓うのですが、他宗教と違い仏教の戒律は人として正しく生きるためのものが多いです。

「不殺生戒(ふせっしょうかい=殺さない)」「不偸盗戒(ふちゅうとうかい=盗まない)」「不邪淫戒(ふじゃいんかい=浮気をしない)」「不悪口戒(ふあっくかい=悪口を言わない)」などの10か条をお誓いいただくわけですが、これらを誓いの内容が夫婦円満のヒントとなっているかと思います。

愛の誓いよりも不邪淫戒や不悪口戒の方が後々は重要になってくるかもしれません。

編集部:「あなたを一生愛します」という欧州式の愛の誓いに加えて「私は浮気をしません!」という不邪淫戒の誓いもできるのは、心が引き締まるように思います。

仏前結婚式の内容について教えてください

  • 先、 新郎、新婦、戒師 入堂
  • 次、 本尊供 三礼、四智梵語、表白、理趣経
  • 次、 洒水加持
  • 次、 念珠授与
  • 次、 授戒
  • 次、 指輪交換
  • 次、 鑑戒
  • 先、 誓詞
  • 先、 誓水
  • 先、 祈願
  • 先、 ご法楽、般若心経、ご真言

松村さん:大まかな流れは上記の通りです。特徴的なのは、入堂の際に尺八の奏者が新郎新婦と戒師を先導してお堂の中に入るところや、最後のご法楽の際は全員で観音様に読経するところです。

また誓水の際には神前式などと異なり、当院ではお酒ではなく少量のお香が入ったお水を飲んで夫婦固めをしていただくのも特徴です。こちらは親族の皆さんにもお飲みいただくようになっています。

編集部:思ったよりたくさんのプログラムがあるのですね。結婚式の場に尺八の奏者の方がいらっしゃることや、お水を飲むことで夫婦和合をするという行為は普段あまり見聞きすることがないので、仏前結婚式ならではだと思いました。

所要時間と参加可能な人数について教えてください

松村さん:だいたい40分ほどとなります。すでにお腹の大きい方や体調が優れない方もいらっしゃる場合は、相談しながら2、30分くらいで済ませたこともあるので、お気軽にご相談いただけると幸いです

導き観音のお堂はあまり大きくないので各親族の方の参列者が10名くらいでやるようになっており、それ以上いらっしゃる方は大広間があるのでそちらに移動させていただくように対応しています。こちらの広間ですと4、50人くらいが入ることはできます。

編集部:多くの儀式がある中で40分ほどの所要時間というのは意外であり、その分式にメリハリが出るので、丁度良いと思いました。また人数や体調に応じて臨機応変に対応いただけるのはとてもありがたいですね。

仏前結婚式の料金ついて教えてください

松村さん:こちら8万円となっております。数珠が必要な場合はこの料金とは別で購入することも可能ですし、持ち込んでいただくことも可能です。

20名を超える場合のみ、1名さまにつき1000円ずついただいています。衣装や撮影に関しましてはブライダル業者さんに確認いただけると幸いです。

編集部:一般的な結婚式と比べるとびっくりするくらいにリーズナブルなんですね。これは読者のみなさまにお届けしたい事実です!

仏前結婚式のオススメの季節はありますか?

松村さん:春から夏にかけて、会場となる中の坊の庭園がとても綺麗なのでとてもオススメです。その季節は新緑が綺麗ですし、桜やボタンの花も咲きます。そして秋には紅葉がとても綺麗です。ぜひ参考にしていただけると幸いです。

基本的にどの季節でも結婚式を挙げることは可能ですが、寒い時期を避けていただくと良いのと、雨天の場合は庭での撮影が難しいので、こちらも踏まえて検討いただきたく思います。

編集部:緑豊かな庭園があるからこそ基本的にはこの庭園の花々が咲いている季節に伺うのが良さそうですね。桜、牡丹、紅葉…、どの時期を選んでも一生に一度の式にぴったりの写真が撮れそうだと思いました。

仏前結婚式の思い出に残るような写真が撮れるスポットはありますか?

松村さん:誓いをした観音様を背にして集合写真を撮っていただくのがおすすめです。あとはやはり景色がとても美しい香藕園の中で撮影するのもおすすめします。

當麻寺の境内には中之坊以外にも、金堂や三重塔などのお堂を背景にして撮るのもいいですね。その他、梵鐘や石灯籠など、撮影が可能な文化財も多々ありますので、一般の参拝客の方が撮影可能なところでしたら基本的にどこでも写真は撮っていただけます。

編集部:誓いをした観音様と共に撮影された写真は、一生心に残りますし、何より誓いをずっと心に携えていけそうですね。国宝に指定された場所が数々ある當麻寺さんだからこそ、逆にどこで撮るか悩んでしまいそうなくらいに写真撮影に適した場所がたくさんありそうだと思いました。

仏前結婚式を行なった際の披露宴について教えてください

松村さん:以前に中之坊の広間でやったことがありますし、そちらで出前などを注文いただくことも可能です。ただ着替えの部屋や親族控室の場所ともなっておりますので、段取りからすると他のところでやるのがおすすめかもしれません。

披露宴会場と直接連携などはしていないので、業者さんのおすすめなどをお聞きするのがいいかと思います。

編集部:移動が大変な参列者などがいる際には大広間で披露宴を行なうのがいいかもしれませんね。式の雰囲気とはまた違った形での披露宴などを企画される方は業者さんにお問い合わせすると、求めている雰囲気にあった場所を紹介されると思います。

ご夫婦や参列者の方々の感想について教えてください

松村さん:皆さん基本的に喜んでくださいます。スポット自体の見栄えもとても良く、皆さんいい着物をお召しになっているので、緑がとても良く映えますね。インスタグラムなどに上げている方も多くいらっしゃいます。

編集部:誰1人お酒が入っていない中での挙式後、少し緊張が解けた面持ちの夫婦と素面の参列者の写真はこういう機会がないとなかなかお目にかかれないのでより貴重な思い出となりそうです。

仏前結婚式を行うようになったきっかけはありますか?

松村さん:私自身も仏前結婚式をしたのですが、そのお話を檀家さんにしていく中でだんだんと広まっていったのがきっかけです。

もともとお寺は不幸ごとの際にいく場所という認識の方がそれまで多かったようですが、最近はそのイメージも払拭されてきた気がします。現在では奈良が好きな方や、お寺が好きな方などにも多く利用されるようになりました。

編集部:一般の方に良さが伝わり、そこからどんどん広まっていったとお聞きするとやはり口コミの効果は絶大なのだなと感じました。言われてみれば確かにお寺はお葬式など不幸ごとの際に伺うイメージがありましたが、よく考えるとお寺は不幸ごとだけでなく人生の節目に伺うところですもんね。

これまでに印象的だったご夫婦のエピソードなどはありますか?

松村さん:2人だけで挙式を挙げられたご夫婦が心に残っています。親族の方や参列する方がいない結婚式というのもより厳かな雰囲気で、素晴らしい式になりました。

他にも和装をとても喜んでおられる夫婦もいらっしゃいました。白無垢などは一生に1回しか着ることがないものですからね。もちろんドレスを着ての式も可能ですよ。

編集部:2人だけの仏前結婚式は新しい船出を厳かな雰囲気の中、自分たちだけで再認識できる唯一の機会なので大変素晴らしいですね。また一生に1度しか着ない和装での結婚式も間違いなく心に残るので、夫婦揃って日本古来からの服装に身を包むのも良いかもしれませんね。

結婚が決まったカップルへのメッセージ

松村さん:ご結婚おめでとうございます。人生にはいい時も悪い時もあるので、悪い時でも前を向いていけるように努めることが大事です。お互いにそのような時もあると受け入れて共に協力しながら進んで行くとよいと思います。

そのためにここでの仏前結婚式で観音様にお誓いいただき手を携えてもらうことはそのような糧になるかと思いますので、ご興味がありましたらお問い合わせいただけると幸いです。

編集部:さまざまな人生の節目を目の当たりにしてきた松村さんならではのメッセージをありがとうございます。

良い時も悪い時も共に過ごしていくという誓いをたてることは、結婚生活をより強固にしてくれるのではないでしょうか。

本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

當麻寺の基本情報

住所

〒639-0276 奈良県葛城市当麻1263 中之坊

電話番号

0745-48-2001

拝観時間

9:00~17:00

拝観料

大人500円・小学生250円(詳しくは公式HPをご覧ください)

公式HP

http://www.taimadera.org/

  



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